《なぜ今、TPSの導入が注目されているのか》
トヨタ自動車が生み出した「TPS(トヨタ生産方式)」は、世界中の製造業だけでなく、
サービス業やオフィス業務にまで広がる業務改善のフレームワークです。
ムダを徹底的に排除し、効率化と品質向上を同時に実現できるとして、
様々な業種で注目され、多くの企業で導入され続けています。
また、会社だけでなく、個人の業務改善としても取り入れられており、
TPSの思考を活かすことで、効率的に仕事を進めることができます。
この記事では、TPSを現場に導入するための基本ステップと注意点を初心者にもわかりやすく解説します。

世界的大企業のマネをすれば簡単に業績アップ間違いなしだね!
さっそく成功する方法を教えてよ!

単純にマネをしたらいいってものじゃないんだよ・・・
考え方を理解して、自分の職場に置き換えて実践することが大切なんだ!
それにTPSで大事なことは『成功する方法』じゃなくて『失敗しない方法』
つまり”ムダをなくす”ことが最も重要とされてるんだ!
TPSの基本についてはこちらの記事で解説しています
”現地現物”でムダを見つけよう
トヨタでは『三現主義』の考え方が入社時から徹底されており、
新入社員からマネージャー、役員に至るまで、全ての従業員に浸透されています
『三現主義』とは現地・現物・現実を示しており、聞いたり調べたりした情報だけで判断するのではなく、現場に行き自分の目で見て判断をするという考え方です。
まずは自分のデスク周りやオフィス、利用する会議室など、意識を持って見つめ直してみれば
きっと色々な”ムダ”や改善すべきことが見えてくるはずです
1日の業務の中で「どこにムダがあるか?」現地現物でよく観察してみましょう!
”7つのムダ”に分類しよう
トヨタ生産方式では、ムダは以下の7つに分類されます。

ムダを分類することで、発生している原因を特定し、効率よく対策を打つことができます。
これは製造業だけではなく、あらゆる業種で発生しているムダにも当てはめることができます。
あなたの職場で発生している”ムダ”が、どのムダに当てはまるか考えてみましょう!
”なぜなぜ分析”で根本原因を突き止める
トヨタでは、問題解決の考え方として、起きた問題に対して「なぜ」を5回繰り返すということが
三現主義と同じくらい常識とされています。
現象対策(表面的対策:再発や副次的問題の発生の可能性がある)ではなく
真因対策(根本的対策:問題発生のメカニズムを解明し真の原因に対して解決を図る)を取ることが重要とされ、起きた問題に対して「なぜ」を5回繰り返すことで、真因を突き止めることができます。
真因対策を取ることによって、プロセス全体の改善にも繋がることにもなります。
”標準作業”に落とし込もう
問題解決・業務改善において最も重要なものの一つに《標準化》があります。
標準化とは、問題を解決、改善した手順を標準作業手順書として明文化し、
誰がやっても同じクオリティ・スピードで業務を遂行できるようにすることです。
企業の満足度が上がらない原因として『マニュアルがないこと』がよく挙げられます。
標準化がしっかりされている職場では、人が育つスピードも早く、新人教育にかかる工数の削減にもつながります。
同じ失敗を繰り返さないためにも、標準化は絶対に外せないステップとなります。
TPS導入を成功させるコツ
TPSを導入する上で、成功に近づくためのコツを3つ紹介します
現場・実担当者の巻き込みがカギ
企業の大きさに関わらず、トップダウンの会社方針はなかなか浸透しないことが少なくありません。
これは、その方針の意図や思考が現場や担当者に正確に伝わっていないためです。
現場の声を尊重し、現場に寄り添った改善方法を提案することが重要です。
そのためにも、現地現物で正確に問題を把握し、一体となって対策方法を議論しましょう
小さく始めて横展する
いきなり全体に導入するのではなく、まずは1チーム・1部署など小さな範囲で始めましょう。
最初から成功することを重要視せず、問題と対策を繰り返すことでノウハウを蓄積し、
一つの範囲での成功を確立してから他へ横展していくことが重要です。
継続的に見直す
TPSは「一度やって終わり」ではなく、”日々の改善”が前提です。
《改善の習慣化》を図るためにも、継続的に業務内容を見直し、他にも改善できるアイテムや見逃しているムダがないかを確認しましょう。
よくある失敗と対策
TPS導入において、やりがちな失敗例と対策について簡単に解説します。
失敗例 | 対策 |
---|---|
改善が現場に浸透しない | 初期段階から現場の声を反映 |
ツールだけ導入して効果が出ない | 思考法(ムダの捉え方)もセットで学ぶ |
成果を定量化していない | KPI設定・ビフォーアフター比較が必須 |
まとめ
《TPS導入は”考え方”から始めよう》
TPSの導入は、単なる改善手法ではなく「仕事の捉え方を変える習慣」のスタートです。
小さなムダに気づき、仕組みを見直すことで、働き方・顧客満足・利益率までも改善できます。
今すぐ、自分の業務の中にある「ムダ」を見つけることから始めてみましょう。
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