『待っている時間』ありませんか?
▪️客先・他部署からの回答連絡待ち
▪️上司の手が空くのを待っている
▪️会議の開始・終了を待っている
仕事中にこんな経験をしたことはありませんか?
これらはすべて、《手待ちのムダ》に該当します。
トヨタ生産方式(TPS)では、この「手待ち」もムダのひとつとして認識し、
徹底的に排除すべき対象と考えます。
この記事では、「手待ちのムダとは何か?なぜ起こるのか?どう改善できるのか?」を初心者にもわかりやすく解説していきます。

手待ちのムダとは?
”手待ちのムダ”とは、人・機械・設備などが何もせずに待っている状態のことを指します。
これは**「必要な作業ができていない時間=生産性ゼロの時間」**であり、トヨタ生産方式では明確な「ムダ」とされています。

言われてみれば待っている時間もあるかも・・・
でも何か(誰か)を待っている時はどうにもならないし、仕方ないんじゃない?

一見仕方がない時間に思えても、原因を掴めば対策できるはずだよ!
手待ちの時間を改善すれば、業務効率がぐんと上がるんだ。
手待ちのムダが発生する原因を一緒に考えてみよう!
手待ちが発生する主な原因
情報や指示が遅れる
- 次の作業指示が来るまで進められない
- 上司の承認待ちで止まる
材料やツールが揃っていない
- 材料の搬入が遅れて作業開始できない
- 必要なツールがほかの人に使われている
設備のトラブル・遅延
- プリンターの順番待ち
- システムの処理待ち
過剰な依存・属人化
- 「この仕事はAさんしかできない」ため、Aさん待ち
- 他部署からの連携がなければ次に進められない
手待ちのムダがもたらす悪影響
- コスト増加:待っている時間も人件費・設備費は発生し続ける
- 時間の損失:待っているだけで進まない
- 作業効率の低下:人手や設備が100%活かされない、中断が多いと集中率も落ちる
- 納期遅延:一部の工程が止まることで全体が遅れる
- ストレス・モチベ低下:無意味な待ち時間が働く人に負担
手待ちのムダを減らすための3つの改善策
作業の標準化とマニュアル整備
手待ちの多くは「誰かに依存する」ことから生まれます。
標準化により、自分で判断して動ける仕組みを作りましょう。
情報の見える化(タスク・在庫・進捗)
誰が・どこまで終えていて・何を待っているのかが可視化されれば、
「待つ必要がない場面」も発見できます。
自働化やITツールの活用
手作業の中断やチェック作業をツールに任せることで、「人の手を止めない」仕組みが作れます。
オフィスや日常にもある“手待ちのムダ”例
シーン | ムダな待ち時間 | 対策例 |
---|---|---|
会議前 | 会議室が空くのを待っている | 事前予約・時間厳守 |
事務作業 | 書類が届くまで作業できない | デジタル化・自動通知 |
販売業務 | レジで入力完了を待つ | POSレジ導入・工程の並列化 |
「この時間、何もしていないな…」と気づくことが改善の第一歩
まとめ
《動いていない時間こそ、最大のムダ》
TPSが示す「手待ちのムダ」は、一見地味ですが、蓄積すると非常に大きな損失になります。
- 誰を待っているのか
- 何を待っているのか
- なぜ待つ必要があるのか
この3つを問い直すことで、よりスムーズで効率的な仕事の進め方が実現します。
トヨタ式の考え方を取り入れて、”ムダ削減”を追求することが、継続的な業務改善への第一歩です。


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